まっくらな横穴を どれだけ進んだのだろう?
やがて どこからか
かすかな風と 潮のにおいが伝わってきた



そこは海を見下ろす山の中腹だった
雲間からおりる光のはしごを
私は ただ 声も無く見つめていた

かいぶつもこの場所から
こうして海を眺めていたのだろうか


私は 親切な老夫婦のもとへ
身をよせることになった
ふたりは 醜い私の顔を嫌いもせず
本当の娘のように接してくれる
私も彼らを助け
精一杯に仕事を手伝わせてもらった

「お前は何にも触るな、痣がうつる」

そういって食事の支度さえ
させてもらえなかった頃が嘘のようだ

誰かのために働けるというのは
なんて嬉しいことなのだろう




+マエ+    + モドル   +エピローグ+ 


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